長期に渡り会社の成長と基盤づくりに尽力した【廣瀬料理長】

2021.10.7


商品開発部責任者 グループマネージャー 廣瀬GM

プロフィール

開発案件の方針と戦略を各開発料理長にプロデュース、方針連携していく事が役割。
特に北尾社長の素晴らしい構想を具現化することを担う。
兼任で仕入れ開発担当、採用育成担当、全板前の面接担当者として、
良い人材がパフォーマンスを発揮して活躍できるように適正人事担当も兼任している。
板前が躊躇していたインカム導入や、オーダーの自動エントリーシステムのハンディ機器導入にも成功した。
新人育成の『板前スクール』の運営企画プロデュース担当、新卒採用の要となった。

北大路に入社したきっかけは何ですか?

人生の分岐点に素晴らしい上司との出逢いが3回ありました。

和食業界で8年間の板前修行を経験(割烹富久よし:ふぐ、かに割烹・上野桜木会館:仕出し弁当、婚礼会食)、この間にふぐ調理師の免許を取得、27歳の結婚を機に、新しい職場で自分のスキルを活かし、更に新しい経験を重ねたいとの思いから、転職先を探していたところ、大東企業株式会社の『日本料理うるわし』(現日本橋茶寮)のオープニングスタッフ募集を見つけました。今年でちょうど30年前になります。

調べたところ、この会社が銀座地区で飲食店を60年以上も運営し、様々な業態開発をして来た事を知りました。

ミルクホール、ナイトクラブ、パブレストラン、料亭、居酒屋、お好み焼き店、イタリアンレストラン、中華レストラン、高級串焼き店等々、長期繫栄する会社で二代目の北尾社長、専務、常務の3人の兄弟で経営していました。

千葉に住んでいる私の両親も知っている程の銀座で歴史のある飲食会社の新業態オープニングなので、是非チャレンジしたいと思い応募しました。

◆ 1人目の出逢い:うるわしの船越料理長(数年後の北大路グループ総括料理長)

料理長と面接し、副料理長候補として採用されました。

板前から板長になる教えを頂いた師匠との出会いです。料理の勉強だけではなく、リーダーとして足りないスキル、先輩への敬意、部下への感謝、五心、社訓の浸透など、この時期に師匠に出会えた事が私の人生において最大の転換期だと感じています。

1年後には実績を認められて初経験の料理長に就任し、築地の魚河岸に自ら仕入れを行い、旬の食材での献立作成、チームビルディング等、料理長のテスト期間に何度も失敗を繰り返して、かけがえのない経験をさせて頂きました。

◆ 2人目の出逢い:先代の北尾常務(番屋・北大路のブランド開発者)

本社ビルの地下にある店舗ということもありますが、当時の担当役員の先代北尾常務(引退後相談役)は経営者としては非常に身近な関係で、いろいろお話する時間を頂けました。

実は、「日本料理うるわし」は実験店舗という位置取りでオープンし、この後に大型店舗200席の北大路の1号店を出すにあたり、良いところ、悪いところのフィードバックと改善要望を当時の店長と料理長の私に頻繁に確認にいらっしゃいました。

北大路コンセプトの【全席完全個室のおもてなし 四季折々の日本料理】はこの北尾常務のアイデアです。

お客様ターゲットを接待層に絞り徹底した差別化戦略のもと、うるわしでは接待特化には対応できていない問題点(個室が少ない、接待で使いにくい、アラカルト対応等)をあぶりだしました。それを全てクリアした形でのコンセプト設定の素晴らしさに感銘を受けました。

しかも北大路の1号店は1階が『居酒屋番屋100席』地下1階が『北大路100席』という大型店舗のさらに実験二毛作店舗でした。

どんどん進化を重ねてゆく会社の戦略と新しい和食部門の個室会席北大路で自分が是非ともチャレンジしてみたいと思い、気が付けば30年間チャレンジを続けています。

料理長そしてグループマネージャーへの歩みまでのストーリーをお聞かせてください。

北大路で料理長にチャレンジしたいという願いは北大路2号店の『北大路京橋店』で叶う事になりました。160席の巨大店舗の個室会席なので、オープンから1年間は集客に見合う厨房チームを形成すること、ランチとデイナーの新商品開発が最大の任務でした。その後は3号店の『北大路虎ノ門店』のオープンも任され、板長として最高のやりがいを感じていた頃です。

この後、師匠の船越総括料理長が番屋と北大路も担当することになり、『北大路銀座本店』が旗艦店として自社ビルにオープンしました。さらに帝劇店、大手町店、溜池店の7店舗まで展開していました。振り返ると、恩師の総括料理長と優秀な部下の副料理長がいつも私を助けてくれました。100人を超える板前のチームワークのおかげでここまでの10年間を料理長として乗り越えることが出来た事に感謝しています。

この10年は北大路のファーストシーズンで先代の北尾常務が接待特化ブランドとして築き上げた時代です。この時期までは板前チームとホールチームに完全に分かれていました。

この後、リーマンショックが起きて日本経済への影響で飲食業界も転換期を迎えていました。

◆ 3人目の出会い:3代目北尾拓也社長(新しい北大路のリブランディングに成功)

新社長が就任し、北大路のセカンドシーズンが始まりました。

(大東企業visionbook発行)100年企業を目指す長期繫栄と社員第一主義、visionミッション、コンセプトを明確にし、社内への浸透を率先して実行し会社理念の大切さを周知しました。

社長主導のリブランディングで銀座茶寮、赤坂茶寮、八重洲茶寮、新宿茶寮、品川茶寮と新しい北大路『○○茶寮』が毎年オープンしました。私は八重洲茶寮のオープニングで料理長として着任しました。

その後の東日本大震災を乗り越え、リニューアルも順次行い、虎ノ門茶寮、京橋茶寮、日本橋茶寮 初の海外チャレンジとしてバンコク1号店(会席)、寿司業態の寿司北大路品川店に続き、バンコク2号店(寿司割烹)がオープンしました。

私も北大路では5店舗の料理長を経験し、兼任して調理師採用面接担当として、クリエイティブ志向の強い板前を多く採用、受け入れ、育成し、板前総勢100人を超えるグループを維持し続けることが最大の任務となりました。中途採用だけでなく、新卒採用、調理アルバイトの育成も重要でした。(ホールスタッフの採用育成担当は松下マネージャーがトレーナーを兼任)

兼任してきた採用育成と商品仕入改善の役割がグループマネージャーとしての任務のスタートだと感じています。料理長との違いはグループ全体のサポート任務を担うことです。

主な業務としてやってきたことは何でしょうか?

長期繫栄と新規出店の中で最優先課題は人材確保と人材育成、人材定着を高めることをやってきました。

それには、幹部に目的と方針の理解浸透するためにセミナーを開催しました。

1年目は10人の料理長に経営意識と戦略を理解してもらう為の勉強会を自主的に開催し、店長会議や戦略会議の内容をわかりやすく説明し、現在会社(社長)が考えている方針とそれぞれの板長の役割を理解してもらうことを数年続けました。

2年目に、社内の幹部全員が参加できるマネージメントセミナー(MSコンサルタント)導入し年6回開催しました。北大路ブック発行を行い、社長の想いを浸透することに努めました。

3年目に北大路リーダー合宿開催、店長板長参加の人材育成、評価制度、数値理解、フィードバック面談、育成マトリックス作成等、リーダー育成に着手しました。

グループ全体で採用、受け入れ、幹部育成、やりがいのある職場環境づくり等、年間通して行いました。ここまで3年間で北大路ビジョン、ミッション、コンセプト、行動基準の4軸理解をスタッフへの浸透に努めました。

更に、大東企業商品部の仕入責任者も兼任し、グループメリットを基に業者交渉や仕入れ改善で年間4000万円のコストダウンも成し遂げることができました。

この5年間は会社の方向性の修正と北尾社長の方針の具現化に注力してきました。

板前時代と今の自分で大きく違うことは何ですか?

板前の時代は自己スキルの成長に努めてきたましたが、グループマネージャーとして現在は部下の成長とサポートを第一に考え、人材が適材適所で活躍できることが最大の喜びとなりました。これまで会社や先輩にお世話になったおかげで今の自分があるので、定年までは微力ながらでも会社に恩返ししたいと考えております。

現在は後継者の育成として4人の開発料理長が活躍できる環境づくりを推進しています。

商品開発をする上で大事にしていることは何ですか?

弊社での商品開発はマーケットインによるアイデア収集と視覚的なインパクトを重要視しています。北大路のファーストシーズンの頃は、板長からの商品プロダクトアウトを繰り返していました。

目まぐるしく変化する飲食業界では、ぐるなびの時代→食べログ評価→SNSでの口コミへと変化しています。セカンドシーズンではこの時代の変化に合わせたマーケットリサーチを行った後に、商品開発部のプロジェクト担当を決定し、ターゲットのニーズに合わせた商品開発を行っております。

商品開発ステップ例

1.ターゲットを絞る(例:顔合わせ、)

2.マーケットをリサーチする
 (東京駅エリアで日曜日昼利用、単価7千円~1万円の個室店舗が足りていない事が判明)

3.企画は本部にて決定し、商品開発部に依頼

4.ベンチマークをピックアップして他社事例を参考に、差別化したオリジナルコースを開発する。

5.テスト販売実行店舗(八重洲)を決めて、成功した時点で該当するターミナル駅立地店舗に横展開していく。
 (京橋、新宿、品川、新橋へ販売を拡大した)

いいチームを作る上で行っていることはありますか?

いいチームを作るには、ビジョンミッション(北大路ファンづくり)を明確にする必要があります。

リーダー自身が目標KPIを掲げ、作戦を計画し、同じ目標にチーム一丸となって実行し、問題点の改善を行い、成果を達成した暁にはチームへのインセンティブを約束として付与しています。

北大路ではこれまでに、BBQ、屋形船、釣舟ツアー、キャンプ、北海道、沖縄、グアム、プーケット旅行等を達成企画として実績があります。

次回の目標に向けてやりがいのある職場環境をリーダーが提供しなくてはいけません。

料理長としての成功実績紹介をお聞きしたいです。

まず、北大路グループにふぐ料理の技術を導入し、多数のふぐ調理師の技術指導に成功しました。それにより、全店舗でふぐコース導入し、お客様のニーズに対応したふぐコースの販売が可能になりました。

次に、ファーストシーズンのデイナーコース(特別会席)の開発に成功しました。(ふぐ会席、平目と鮟鱇、初ガツオと貝づくし、岩ガキ会席、松茸会席)

また、ファーストシーズンのランチ開発にも成功しました。(大椀盛御膳、真鯛蒸篭御膳、レディース御膳等)

人材育成に関しては、多くの幹部候補者の育成に成功しました。

更には料理長、副料理長となるメンバーが増えたことにより多店舗展開にも貢献しました。

板前スクールをやったことによる収穫はありましたか?

第1期の板前スクールは、板前1~5年目を対象として不定期に2年間開催いたしました。

講師は料理長と副料理長が務め、技術を教える側のレベルが格段に上がり、多店舗展開での人材育成に貢献できました。

第2期は、新卒者と入社1年目が対象で2年間開催しました。

新卒採用の活性化を目的として、調理師学校のインターンシップや体験スクール希望者をターゲットに行いました。収穫として、選べる採用を可能にして3年連続して新卒内定者(素質の高い人材)の確保が可能になりました。

現在の板前スクールの運営はどうですか?

コロナの影響でグループの年商は60%ダウンの現状で、今後の新卒採用については今のところ中止となっています。板前スクールの年間経費を考えると、コロナ禍での採算は取れませんでした。

これからのチャレンジとしまして、多店舗展開戦略は中止はしましたが、優先順位は未来を見据えた北大路のマルチチャンネル化の開発に経費をかけて、板前の未来の仕事と可能性を広げることに注力して行きます。

今後、自分の人生をどう設計していますか?

現在57歳、60歳で定年なので、3年後の未来は分かりませんが、今板前チャレンジしている企画の『仕出し弁当事業』『クラウドキッチン事業』等、多数の協力会社へのサポート担当として、新しい展開をイメージして進めています。今後も数社交渉を予定しております。

コロナが収束した後、海外チャレンジも再開予定なので、海外で和食文化を広める仕事も視野にいれています。

板前が自らの未来を切り開くことが、自分自身の強みになると考えています。


板前の採用に関しては、私が最初の面接対応をさせていただきます。

志が高くクリエイティブな料理人にお会いできること楽しみにしております。

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