本物の日本料理店がバンコクにて遂にオープン

2021.9.1

今回はバンコクへの出店をゼロからスタートし、

2021年で8年間走り続けている大東企業企画部長の高橋が

海外出店での苦い思いから、

成長につながった経験などを赤裸々にお伝えしていきます。

こちらオープン前の北大路バンコク店の続編になります。

まだ、見ていない方は、そちらを先にご覧ください。

オープンするまで多くの事象に戸惑いを感じながらも、

なんとかオープンする事ができました。

今回は遂にオープンしたバンコク店で

どのように運営してきたのかをお話しできればと思います。

オープンしてから今日まで

プレオープンの初日はお客様からいきなりクレームの嵐でした。

コース料理をお出しすると、

提供した後に色々な食材の変更リクエストやクレームが多く、

コース料理自体を1ヶ月もしないうちに断念する事となりました。

客数は1日に5名以下でスタートし、大変苦労しました。

北大路バンコク店は、超高級店。

1名当たりの購買単価が、タイの大学生平均月給の約半分になります。

多くのお客様を集客する方法は、存在しないのではと思っていました。

その頃は1年間1日も休まず、思い切り走り続けました。

何かに取り付かれたように。

無我夢中で、疲れも知らず。毎日没頭していました。

飲食文化の違いでもたびたび困ることが、、、

世界中、高級料理店とは、

シェフやお店を信頼して全て任せる

「おまかせ」と言うのが一般的に普及しております。

フランスでも、イタリアでも、日本でも、中国でも、スペインでも、

高級料理とは、「おまかせ」が当たり前です。

タイは、富裕層とそうでない方の差が世界でも大きい国の1つで、

お金持ちが好きなものを好きなように食べるという文化の方が強く、

「おまかせ」という考え方自体がほとんどありませんでした。(2013年当時)

私たちは、タイ富裕層の食文化を知らない状態で、

全て日本で作り込み、臨みましたが、

現地でのコンセプト変更により想像以上に

時間と労力をかけてしまいました。

実際に現地まで行かないと分からない部分がたくさんあり、

改良に改良を重ねました。

そんな中でも嬉しかった事としては、

改善していく中でコンセプト変更が成功した時でした。

日本で準備したものがバンコクで通じなかった時、以前イギリスに滞在していた頃、

身をもって多くを学んだ

「ナンバーワンはオンリーワンから生まれる」

というフィロソフィー(哲学)でした。

そこで、オンリーワンを作ろうと

バンコクのあらゆる飲食店のリサーチを行いました。

シーズンメニューと、お店の看板メニューをすべて変更しました。

人が驚くオンリーワンの商品をどこよりも沢山作ろうと、

無我夢中で次々作りました。

実際に研究した商品をリストにしてみました。

・東南アジアで流通していない、最大サイズの6L蟹

・宮内庁ご用達目利きが選んだ黒毛和牛

・北海道で、2隻しか狩猟が認められていない幻のズワイガニ

・福井県庁特別輸出商品 ズワイ蟹の頂点「極」

・群馬県庁特別輸出品 日本初輸出、天然の長良川鮎

・京都府特別輸出品 京野菜と京都牛

・うに1番札(セリの開催時に一番良い商品が競りにかけられる、その商品)

・純潔のイベリコ豚

・ギネスブック登録、ゴルフボールと同じサイズの巨峰、藤みのり

・1個当たりの水分量・糖度が最も多いイチゴ

・タイ初 生きているウニの刺身

・間違えた季節に間違えた場所にいた鮭。超希少鮭 ときしらず

・窒素で密封し、綿でくるまないと輸送できない繊細な完熟桃

・日本政府公用ジェットで振舞われるおもてなし日本酒

・最古料亭シェフの再現レシピ。

・400年前天皇が食した、のどくろの藻塩焼き

・1個のメロンを作るために9個を捨てる。すべてを1個のメロンの為に。

食材の紹介をする時に、

日本の伝統文化や歴史、技術などを

学べる体感型の商品をイベント化して、

毎月提供していきました。

毎月お祭りを開く感覚です。

「特別な時に、特別な物を、特別なあなたに」

という、オンリーワンを前面に出した

「おもてなしスローガン」

がコンセプトとともに広がり、

人気が出てきました。

その結果、テレビ番組の出演が多く決まり、

CMやドラマの場面でお店が使われる事が増えました。

富裕層に認知していただく為に、

日本の県庁から、色々な案件の取り扱いを任されました。

それによって、政財界や芸能人の来店が増え、

さらには日本大使や、政府間のランチョンなども

開催するようになりました。

ゆくゆくは欧米のサッカーチームが貸切ったり、

ブータン、インドネシア、タイのロイヤルファミリー

が来店するようになりました。

日本の店舗ではまずなかったこともタイでは繰り広げられました。

誕生日に、1m以上のケーキが並ぶ。

vip来店のための交通規制により、

北大路バンコク店の隣接する道路から人と車が消える。

見たことのない特別仕様の高級外国車で駐車場が埋め尽くされる。

報道陣の張り込みで敷地内が覆い尽くされる。

など日本でも、経験することができない特別な体験ができました。

予約200名様を越える記録を作ったときには、遂にバンコクで

名が知られる有名店になったと、初めて実感できました。

先の見えない状態で走り続け、

この瞬間まで、やり切った感覚は1度もなかったほどでした。

「オンリーワンは、新しいカテゴリーを作る事。

マーケットをとらえた時点で、そのカテゴリーのNo.1になる」

このセンテンスを描き続けて実際にNo.1になりました。

北大路のコンセプトとしては

北大路に大切な人を連れて行けば、

そこにしかない特別なおもてなしができる。

そして、その時しか存在しない特別な時間を過ごせる。

そう思ってもらうことです。

しかし、大事にしてきた会席料理を

タイで普及することはできませんでした。

しかしそんな中でも、大事にしてきた日本の接待文化を

タイで普及することは実現できました。

特別なシチュエーションで使われる

おもてなし店舗として位置付けるとこができました。

「日本の文化を海外に輸出する。」

長年の希望が実現できたと感じた時、

何よりも、嬉しい瞬間でした。

身をもって、

オンリーワンの哲学の実証ができたと思います。

今後も本物の日本料理を世界へ発信するために

海外への出店も挑戦し続けます。

今回紹介できなかった日本で30年腕を磨き、

料理長としてバンコクで腕を奮っている

前野料理長の話も記事にしていきますので、

ぜひみてみてください。

海外で店を持ちたい、一緒に北大路でチャレンジをしたい

という板前を募集しておりますので、

気になる方は下記からご連絡ください。

pagetop

Copyright © DAITOHKIGYO CO.,LTD. All Rights Reserved.